補助金・助成金の基本

補助金の会計処理と税金|雑収入・圧縮記帳・消費税の返還

公開 2026-09-23 / Bizalte 編集部

補助金は収益で、税金がかかる

補助金は返済しないお金なので、会計上は収益になります。一般には営業外の収益(雑収入など)として計上します。そして収益である以上、法人税や所得税の課税対象です。

2026年9月時点の公募要領を見ると、ものづくり補助金(第23次締切)は「支払を受けた事業年度における収入として計上するもので、法人税等の課税対象」、持続化補助金〈一般型・通常枠〉(第20回)は「額の確定を受けた事業年度における収益として計上するもので、法人税・所得税の課税対象」としています。計上する時期の書き方が制度によって違うので、決算をまたいで額の確定や入金がある場合は、顧問の税理士と相談して決めます。

補助金で黒字が増えた年に税金が増えて、手元の資金が思ったより残らないことがあります。入金の年の納税額も資金計画に入れておきます。

設備を買う補助金なら「圧縮記帳」

機械や設備を買うための補助金は、受け取った年に全額が課税されると、せっかくの補助金の一部が税金で消えてしまいます。そこで税法には、課税の時期を後にずらす特例があります。

法人の場合(法人税法第42条)

国や地方公共団体から、固定資産の取得や改良に充てるための補助金を受け、その目的に合う固定資産を取得・改良した場合は、補助金の額の範囲内で固定資産の帳簿価額を減らし(または積立金として積み立て)、その額を損金にできます。これを圧縮記帳といいます。

  • 補助金の返還を要しないことが、その事業年度の終わりまでに確定していることが条件です。確定していない場合のために、特別勘定を使う仕組み(同法第43条)もあります。
  • 確定申告書に、損金算入の明細を記載する必要があります(別表十三(一))。
  • 帳簿価額が下がるので、その後の減価償却費も小さくなります。その年の税金は減りますが、翌年以降の税金は増えるので、合計では課税の先送りです。

個人事業主の場合(所得税法第42条)

個人事業主が、固定資産の取得や改良に充てるための国庫補助金等を受け、その目的に合う固定資産を取得・改良した場合は、確定申告書に一定の事項を記載することを条件に、補助金のうち取得・改良に充てた部分を総収入金額に算入しないことができます。

  • 「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を確定申告書に添付します。
  • その固定資産の取得費は、実際に払った額から算入しなかった補助金の額を差し引いた額になり、減価償却もその額をもとに計算します。

対象にならないもの

圧縮記帳と総収入金額不算入は、固定資産の取得・改良に充てる補助金のための特例です。広告費や外注費に充てる補助金、人件費や賃金の改善に対して支給される助成金には使えません。持続化補助金のように、対象経費が広報費やウェブサイト関連費などにまたがる補助金では、固定資産にあたる部分とそれ以外を分けて考えます。

消費税は「不課税」、ただし仕入控除税額に注意

国税庁は、国や地方公共団体からの補助金・助成金は、一般的に対価を得て行う取引ではないため、消費税の課税対象外(不課税)としています。受け取った補助金に消費税はかかりません。

注意が要るのは、補助金で払った経費に含まれる消費税です。

  • 課税事業者が補助金で払った経費の消費税を、自社の消費税の申告で仕入税額控除にも使うと、同じ消費税を補助金と控除の両方で取り戻すことになります。
  • そこで、ものづくり補助金や持続化補助金は、消費税等仕入控除税額を減額して交付申請する(課税事業者は消費税相当額をあらかじめ補助対象経費から除く)ことを求めています。
  • 持続化補助金では、免税事業者・簡易課税事業者・2割特例を使う事業者で、消費税を含めて申請し、その内容で交付決定を受けた場合に限り、消費税を対象経費に含められます(第20回公募要領)。
  • 省庁の補助金の交付要綱には、事業が終わったあとの消費税の申告で仕入控除税額が確定した場合に報告し、国がその全部または一部の返還を命じることができるという定めを置いているものがあります。

消費税の申告方法(本則課税・簡易課税・2割特例)や、免税事業者から課税事業者への切り替えがあると、扱いが変わることがあります。交付申請の前に、自社の申告方法を税理士と確かめておきます。

記帳で気をつけること

  • 補助事業の経費は、他の経費と区別して記帳します。持続化補助金とものづくり補助金は、「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」に拠った信頼できる計算書類の作成に努めるよう求めています。
  • 補助金で買った固定資産は、取得財産の管理台帳と会計上の固定資産台帳の両方で管理します。処分制限期間中の売却や廃棄には事務局の承認が必要です。
  • 賃上げの目標に届かなかった場合など、入金後に返還を求められる可能性がある補助金は、その条件を決算の担当者と共有しておきます。返還が決まったときの処理も、あわせて税理士に確かめます。

税務の判断は、会社の状況や補助金の性質で変わります。最終的な処理は、顧問の税理士か所轄の税務署に確かめてください。

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よくある質問

補助金は非課税ですか。

いいえ。ものづくり補助金や持続化補助金の公募要領は、補助金が法人税・所得税の課税対象になると明記しています。消費税については、国や自治体からの補助金は対価を得て行う取引ではないため、課税の対象外(不課税)です。

圧縮記帳をすると税金は安くなりますか。

受け取った年の課税は小さくなりますが、そのぶん設備の帳簿上の価額が下がり、その後の減価償却費が少なくなります。税金をなくす仕組みではなく、課税の時期を後にずらす仕組みと考えてください。

補助金をどの年度の収益にするかはいつ決まりますか。

公募要領でも書き方が分かれています。ものづくり補助金は支払いを受けた事業年度、持続化補助金は額の確定を受けた事業年度の収益として計上するとしています。決算をまたぐ場合は、顧問税理士と計上時期を決めてください。

制度の内容は年度ごとに変わります。申請の前に、必ず最新の公募要領をご確認ください。記事の誤りに気づいた方は運営者情報の連絡先からお知らせください。

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